データから見る接骨院の今後

通勤途中に個人経営と思われる町の小さな接骨院が有る。朝は早いからシャッターを見るだけだが、帰途たまに気付いて眺めるとそこそこ繁盛しているようだ。こういう店に来るのは中高年の男が多いのかなと勝手に思っていたが、男女比は半々位に見える。意外に感じたので帰宅後、妻に話してみたら開口一番「骨盤矯正じゃないかな?」と答えた。

成る程。男にはわからない事情だ。会社で同僚にある時ひょんな事から「接骨院とか行ったことある?」と聞いたが誰も手を挙げなかった。みんな男だったからか。通勤途中で転ぶとか、サッカーで打撲するとか、男だったらケガでもしないとあまり接骨院に用は無い。でも女性なら産後とか美容のためとか、骨盤矯正を接骨院でしてもらうと言う人も多いらしい。

(但し出産は病気ではないので保険は使えない。美容も同様。みんな自費で施術を受けている。)

J-Net21 の市場調査データを見た。整骨院(2021年版)のもので、「マッサージ店」や「カイロプラクティック(整体院)」とは別リサーチになっているので、この手の店とは区別が出来ていると思われる。

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせると利用率は全体で約10%。男女比はほぼ同じだ。「10%!」と思わず声を上げてしまった。人口1億人として、1千万人も接骨院を利用しているのか。そんなにみんな接骨院に行っていたのか。

利用頻度は全体で「年に1回以下」(62%)が最も多いが、20代男女や40~60代女性では「半年に1回以上」で利用している人がその層の4割を超えている。大事な事なので2回言おう。「みんなそんなに接骨院に行っていたのか!」

それでは今後はどうだろう。「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい」を選んだ人、つまり利用意向がある人は全体で24%。人数に換算するのは安易だが、2千4百万人になる。すごい数字だ。どちらかと言うと、女性の利用意向が高い。年代別で見ると、20代30代の若い層で男女とも利用意向が高くなっている。

若い年代の支持が高いと言う事は、今の所は接骨院の未来は明るいと言う事で良いのだろう。そして概ね女性の利用意向の方が高い。まずこれらの層を意識したサービスを展開し潜在需要を高めていく事が今後の接骨院の経営戦略の上で必要であると思われる。

(今回データを引用させて頂いた「J-net」は独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているサイトです。)


著者:ティラーズ運営事務局

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